SSブログ

ダックスよ永遠に ... [家族]

20211210_100131[1].jpg

20201107_120902[1].jpg

20210623_110722[1].jpg

20200910_120018[1].jpg

気忙しい師走のはじめ。
スーパーマーケットの入り口もクリスマスと正月が混在している。
富士山もすっかり雪化粧。
一枚だけのカレンダーにもの悲しさを感ずる。
自分にとって衝撃の師走になってしまった。
ダックスが死んだ。
入院先で一昨日の正午に息を引き取った。
11時過ぎに獣医から電話が入った。
「すぐに来て下さい。急変しました。」
慌てて、愛車で直行した。
40分ほどで到着すると、受付の女性が走ってやって来る。
「直ぐに介護室へ行って下さい」
車の施錠もそこそこに介護室に飛び込んだ。
介護台の上に、息も絶え絶えなダックスが横たわっている。
獣医が懸命に心臓マッサージを加えている。
ダックスの長い耳を持ち上げ「お父さんだよ!頑張れよ!」と叫んだ。
見開いたままの目からは反応がない。
ダックスに顔を埋めた。
あぁもう駄目だ。頭では理解するが心がそうはいかない。
止めどなく涙が溢れる。
走馬灯のように共に過ごした時間が過ってゆく。
12時丁度。命の終わりが告げられた。
入院してから3日目。
あまりにも急な別れだった。
「昨日はささみを少し食べてくれたのです。ただ、腎臓の数値は悪いままでした。」と
獣医が話す。
「今日の11時にバタッと倒れたのです。慌てて対処したのですが、血栓が心臓や頭に飛んでしまったようです。申し訳ありません。」
獣医が詫びた。仕方がない。我が家にやって来たときから満身創痍の犬だった。
辛かったと思う。
穏やかでいつも遠慮がちな性格だった。
8年前の秋に家族になった。
川原に落ちて上がれなくなっていたダックスを消防が救助した。
縁あって、飼い主が現れるまで預かることになった。
でも、1ヶ月が経過しても飼い主は現れない。
やはり、捨て犬だった。
我が家では、これまで4頭の犬と2匹の猫を飼っていたことがある。
そのうち一頭の犬と一匹の猫は保護したものだ。
最後の三毛猫が死んでから、もう動物は飼うまいと決めていたとき、
突然、ダックスが現れた。

家族に迎えるに当たり、獣医師の健康診断を受けた。
年齢は推定5歳で、恐らく繁殖犬だったのだろうと言われた。
鼠蹊ヘルニアと前立腺を患っていたので、そのまま手術した。
愛らしく、まるでぬいぐるみのような犬だった。
拾ったその日、自分は尾瀬に行っていた。
夜遅くに帰宅すると、小さな犬が玄関で迎えたことに驚いた。
それからは四六時中ダックスとの生活が始まったのである。
そして一年も過ぎた頃、本格的なヘルニアになってしまった。
高額な手術費用を伴う治療だ。
でも、家族になった以上、それを受けざるを得ない
術後から亡くなるまで、ずっとコルセットの日常を強いた。
辛かったであろう。
無言の帰宅をしたダックスはコルセットも外れ静かに横たわっていた。

二晩を我が家で過ごさせてやった。
可哀想だが、冷たい玄関で一番好きだったベッドに横たわらせた。
ダックスの周囲と腹の下に保冷剤を敷く。
ごめんな冷たいだろうと呟く。
叫びたい衝動に駆られた。
穏やかに眠らせてやりたいことは分かっている。
しかし、それが出来ない。
何度も何度も、顔に被せた白布をめくり頭を撫でた。
止めどなく涙が溢れる。
他人との接触が苦手な自分の話し相手だったダックス...
残りの人生に大きな穴が空いてしまった。

今日12月10日の午前10時。
我が家にいた全ての動物たちが眠る寺で荼毘に付した。
1時間後、係に呼ばれ骨上げに入る。
コロナ禍のため、骨上げは直接手で摘まんでくれとの注意。
驚くほど小さな姿だった。

骨壺を抱え帰宅する。
少しだけホッとした。
これでけじめが付いた。
ベランダへ出た。富士山が美しい。
いつも、ここで日向ぼっこをした。
たちまちその姿が現れる。我慢しようにも涙が滴り落ちる。
こんなことでどうすると自分に言い聞かせるのだが、堰を切った嗚咽は止まらない。
今夜はどうしようか。明日になるとどうなるのか。
愛おしい愛おしいダックスが星になってしまった。
8年間は幸せだったかい。我が家は居心地が良かったかい。
苦しむために生まれてきたダックス。
もう一度この腕に抱いてやりたい。

「今日の歌」
山は紅く紅く色づいて すすきが
風に風にゆれている
朝はとても冷たい もうすぐ冬がくるね
朝はとても冷たい もうすぐ冬がくるね

このごろ不思議な気分になることがある
とてもゆかいなそのくせ
淋しいような ねえどうしてぼくはここにいるの
ねえ どうして ぼくはきみとここにいるの

山は紅く紅く色づいて すすきが
風に風にゆれている
朝はとても冷たい もうすぐ冬がくるね
朝はとても冷たい もうすぐ冬がくるね

「26ばんめの秋」から引用
作詞 岡林信康
作曲 岡林信康
歌唱 岡林信康


共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。