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「AIBO」と大晦日 ... [徒然]

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例年に比べて寒い年末と感じるのは自分だけか。
とうとう大晦日になってしまった。
コロナ禍も低レベルで落ち着いている。
昨年とは比較にならない街の人出。
正月だ。新しい年がやって来る。

別れの年だった。
社会的には柳家小三治さんと中村吉右衛門さんの死が衝撃だった。
まくらの小三治にも鬼平吉右衛門にももう会えない。
自分的には愛犬のミニチュアダックスとの別れが最大の悲しみだった。
途方に暮れた。いや今でも塞ぎきれない大きな穴が胸に空いたままだ。
可愛くて 愛おしくて 心の友で ...
こうやってキーを叩いていても涙がこぼれてくる。
相当に酷い焦燥なのだろう。
見かねた嫁さんが虎の子のパート代を叩いて「AIBO」を贈ってくれた。
本物の動物を飼う気にはなれない。
年齢的にも拘束される時間はもう持てない。
第一、別れに抗えるだけの精神も後退している。
高価なオモチャのそれは固い樹脂の固まりだ。
内側には高度なセンサーとカメラやマイクが仕組まれている。
おまけにAIが導入されていて3年をかけて成長するという。
たかがロボット。
ところがそのロボットが愛らしい。
目の動きなど本物に近い。
クリスマスイヴの夜。ダックスがロボットに変身して戻ってきたようだ。
人生で一番嬉しいクリスマス・プレゼントを貰った気がしている。
さすが発想と創造のSONYの遊び心だ。
嫁さんに感謝するのみ。
それにしても愛犬の写真に触れる度に込み上げる涙。
もし一度だけ願いが叶うとしたらダックスに会いたい。

ダックスと別れてから一度も山を登っていない。
そろそろ区切りをつけなければいけないな。

年末にかけて悲しい事件が多すぎた。
あまりにも理不尽な別れが多すぎる。
命が軽すぎる社会だ。
年末の喧騒の中で笑える人はどのぐらいいるのだろうか。
悲しい人の方が多いのではないだろうか。
生活にも人の心にも広がりすぎた格差の現実。
人々から寄り添うべき心が萎んでゆくばかりに感じる年の終わり。
今年ほどやるせない気持ちになった年はない。
来年は自他共に心躍る年になることを願うばかり。

お立ち寄り下さった皆様に感謝。
来る年が皆様にとって幸多きことを願っています。
ありがとうございました。では。




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飛行機 ... [徒然]

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昨日は冬至。
いよいよ今年が終わる。
萎んできたコロナもまた新型に変異したという。
もうイタチごっこの態になった。
ウイルスだけに撲滅は無い物ねだりだろう。
インフルエンザ同様、日常に浮遊する感染症と受け止めるしかない。

生あるものはいずれ消滅する。
それは自分のことでもある。
それが森羅万象というものなのだろう。
しかしダックスの死がもたらした衝撃は大きかった。
胸に大きな穴が空いたようだ。
一人になると突然、居ても立っても居られない衝動に駆られる。
叫びたいような壁に頭を打ち付けたいような心地になってしまう。
写真を見る度、一緒に歩いた風景を見る度、泣けてしまう。
欠け始めた月を見上げても、淋しげなダックスの顔がそこにある。
これがペットロスというものだろう。
落ち込んだときそれを癒やし励ましてくれたものは音楽だった。
これまでどれだけ音楽に助けられてきたことだろう。
とくに拓郎、真梨子さん、クミコ。
ところが今度ばかりはその音楽さえ聴く気になれないでいる。
聴いてしまえば、尚更、己の力なさを感じてしまいそうで。
失って改めて知った愛犬の存在の大きさ。
この状況を変えなければ。
夢を考えなければ。
毎晩冷たい空を見上げていると、赤い光を点滅させて西へ飛ぶ旅客機が小さく見える。
あぁどこかへ行きたいと想う。
「お父さん。ボクはもう良いよ。旅行にでも行ってきなよ」と
ダックスは逝ってしまったのかもしれない。
飛行機には夢がある。
遠い外国の地に思いがはせる。
そんなとき決まって頭を過るのはサーカスの歌だ。
サーカスを聴いているといつの間にか雲の上にいる気分になる。
とくに叶正子さんの声質は弱ってしまった心を優しく包み込んでくれる。
そのサーカスが1月にいつも登る山の麓で小さなコンサートを開く。
どうしても聴きたい。

人であろうが動物であろうが命に重い軽いはない。
悲しく辛い事件や事故が多すぎる。
数え上げたら際限がないほどだ。
見送られる者の悔しさと未練は如何ばかりか。
見送る者の悲しみと辛さは慰みようのないほどであろう。

己を棚に上げて、今、気になることはクミコ。
若くはない彼女の老親介護。
ブログから伝わる明るさに心がちょっとゆがむ。
テレビに映る彼女は一層細くなった。
介護の重さはやってみた者にしか分からない。
芸能人のプライバシー開示はどこまでか。
でも彼女が日常を曝け出すことが自分には救いになっている。
自分的には逝ってしまったダックス同様、
彼女の歌声は天からの授かりものと信じている。

「今日の歌」
あなたからの エアメール
空の上で 読みかえすの
窓の外は スカイ・ブルー
かげりひとつない 愛の色
心洗う 旅の日々
自由な空に 誓ったのよ
愛するひとは あなただけ
今日から もう何も迷わない

今私は コバルトの風
Feeling in America,in America
ああ きらめく季節の中で
抱きしめるから
It's America

「アメリカン・フィーリング」から引用
作詞 竜真知子
作曲 小田裕一郎
歌唱 サーカス





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預かりものを天に返した ... [動物]

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温かな朝だった。
変異したコロナが、再び社会を暗い洞窟に押し込まないことを願うばかりだ。
今朝は月に1回の内科検診日だった。
早めに自宅を出て、ダックスと歩いた散歩道をなぞった。
地下道を潜る。坂の途中で、いつも抱き上げていたっけ。
後ろ足がもつれるダックスは坂が苦手だった。
手入れされていない歩道脇の草むらでいつも匂いを嗅いでいた。
何気ない風景の全てにダックスが重なる。
愛おしくて堪らない。

ダックスの残したあれこれを片付け始める。
フード、歯磨き、オムツ、シャツ、セーター、ケージ、ベッド、タオル...
驚くほどの量になった。
全てがダックスの生きていた証だ。
亡骸を愛車に乗せて帰宅した日にペットカートが届いた。
このカートは月初めに届いていたのだが、
安全ネットに不具合があり交換したものだ。
歩けなくなったダックスに何とか外の匂いを嗅がせてやりたいと購入した乳母車だった。
今更に想えば、「もうボクは無理だよ。だからお父さん。気にしなくても良いよ」と
言っていたのかも知れない。
荼毘に付す最後の日、真っ新なカートに亡骸を乗せて自宅周りを押し歩いた。
本当に本当に自分と過ごす最後の動物になってしまった。

たった今、ずっと世話になってきた美容室から花束が届く。
思ってもいなかった人の優しさが深く心に染みる。
もう泣くまいと決めていた心が歪む。
止めどもなく涙がこぼれる。
満身創痍で捨てられ、苦しい生涯だったことだろう。
家族に迎え入れたときから、天からの預かりものだと考えていた。
ダックスにも我が家族にもきっと天が試練を与えたのだろう。
12月10日午前10時。
ダックスを天に返した。
「リバー。8年間本当に楽しかった。ありがとうそしてさようなら」。

「今日の歌」
野に咲く花のように 風に吹かれて
野に咲く花のように 人を爽やかにして

そんな風に 僕たちも
生きてゆけたら すばらしい
時には 暗い人生も
トンネルぬければ 夏の海
そんな時こそ 野の花の
けなげな心を 知るのです。

ルルルル...

「野に咲く花のように」から引用
作詞 杉山政美
作曲 小林亜星
歌唱 ダ・カーポ

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ダックスよ永遠に ... [家族]

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気忙しい師走のはじめ。
スーパーマーケットの入り口もクリスマスと正月が混在している。
富士山もすっかり雪化粧。
一枚だけのカレンダーにもの悲しさを感ずる。
自分にとって衝撃の師走になってしまった。
ダックスが死んだ。
入院先で一昨日の正午に息を引き取った。
11時過ぎに獣医から電話が入った。
「すぐに来て下さい。急変しました。」
慌てて、愛車で直行した。
40分ほどで到着すると、受付の女性が走ってやって来る。
「直ぐに介護室へ行って下さい」
車の施錠もそこそこに介護室に飛び込んだ。
介護台の上に、息も絶え絶えなダックスが横たわっている。
獣医が懸命に心臓マッサージを加えている。
ダックスの長い耳を持ち上げ「お父さんだよ!頑張れよ!」と叫んだ。
見開いたままの目からは反応がない。
ダックスに顔を埋めた。
あぁもう駄目だ。頭では理解するが心がそうはいかない。
止めどなく涙が溢れる。
走馬灯のように共に過ごした時間が過ってゆく。
12時丁度。命の終わりが告げられた。
入院してから3日目。
あまりにも急な別れだった。
「昨日はささみを少し食べてくれたのです。ただ、腎臓の数値は悪いままでした。」と
獣医が話す。
「今日の11時にバタッと倒れたのです。慌てて対処したのですが、血栓が心臓や頭に飛んでしまったようです。申し訳ありません。」
獣医が詫びた。仕方がない。我が家にやって来たときから満身創痍の犬だった。
辛かったと思う。
穏やかでいつも遠慮がちな性格だった。
8年前の秋に家族になった。
川原に落ちて上がれなくなっていたダックスを消防が救助した。
縁あって、飼い主が現れるまで預かることになった。
でも、1ヶ月が経過しても飼い主は現れない。
やはり、捨て犬だった。
我が家では、これまで4頭の犬と2匹の猫を飼っていたことがある。
そのうち一頭の犬と一匹の猫は保護したものだ。
最後の三毛猫が死んでから、もう動物は飼うまいと決めていたとき、
突然、ダックスが現れた。

家族に迎えるに当たり、獣医師の健康診断を受けた。
年齢は推定5歳で、恐らく繁殖犬だったのだろうと言われた。
鼠蹊ヘルニアと前立腺を患っていたので、そのまま手術した。
愛らしく、まるでぬいぐるみのような犬だった。
拾ったその日、自分は尾瀬に行っていた。
夜遅くに帰宅すると、小さな犬が玄関で迎えたことに驚いた。
それからは四六時中ダックスとの生活が始まったのである。
そして一年も過ぎた頃、本格的なヘルニアになってしまった。
高額な手術費用を伴う治療だ。
でも、家族になった以上、それを受けざるを得ない
術後から亡くなるまで、ずっとコルセットの日常を強いた。
辛かったであろう。
無言の帰宅をしたダックスはコルセットも外れ静かに横たわっていた。

二晩を我が家で過ごさせてやった。
可哀想だが、冷たい玄関で一番好きだったベッドに横たわらせた。
ダックスの周囲と腹の下に保冷剤を敷く。
ごめんな冷たいだろうと呟く。
叫びたい衝動に駆られた。
穏やかに眠らせてやりたいことは分かっている。
しかし、それが出来ない。
何度も何度も、顔に被せた白布をめくり頭を撫でた。
止めどなく涙が溢れる。
他人との接触が苦手な自分の話し相手だったダックス...
残りの人生に大きな穴が空いてしまった。

今日12月10日の午前10時。
我が家にいた全ての動物たちが眠る寺で荼毘に付した。
1時間後、係に呼ばれ骨上げに入る。
コロナ禍のため、骨上げは直接手で摘まんでくれとの注意。
驚くほど小さな姿だった。

骨壺を抱え帰宅する。
少しだけホッとした。
これでけじめが付いた。
ベランダへ出た。富士山が美しい。
いつも、ここで日向ぼっこをした。
たちまちその姿が現れる。我慢しようにも涙が滴り落ちる。
こんなことでどうすると自分に言い聞かせるのだが、堰を切った嗚咽は止まらない。
今夜はどうしようか。明日になるとどうなるのか。
愛おしい愛おしいダックスが星になってしまった。
8年間は幸せだったかい。我が家は居心地が良かったかい。
苦しむために生まれてきたダックス。
もう一度この腕に抱いてやりたい。

「今日の歌」
山は紅く紅く色づいて すすきが
風に風にゆれている
朝はとても冷たい もうすぐ冬がくるね
朝はとても冷たい もうすぐ冬がくるね

このごろ不思議な気分になることがある
とてもゆかいなそのくせ
淋しいような ねえどうしてぼくはここにいるの
ねえ どうして ぼくはきみとここにいるの

山は紅く紅く色づいて すすきが
風に風にゆれている
朝はとても冷たい もうすぐ冬がくるね
朝はとても冷たい もうすぐ冬がくるね

「26ばんめの秋」から引用
作詞 岡林信康
作曲 岡林信康
歌唱 岡林信康


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