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安達太良山を登った ... [自然]

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ブログの設定も覚束ないほど更新をさぼった。
堪え性に欠ける己に呆れるばかりだ。
言い訳がましいことを書けば、日々の世情に嫌気が差したと云うことだ。

相棒のK君と「雨飾山」へテント登山をする予定だった。
しかし自分の体調が思わしくない。
かつて無いほど血圧が高い。
もっとも高いとは言っても、ふらつくほどでは無いのだが。

その準備にと近くの大山を登った。
「女坂」を選び、「大山寺」に到着した頃から不調になり、
休み休みで、何とか「下社」に辿り着いた。
こんな経験は初めてで、歳を取った証なのかと侘しくも心細くなった。
参拝し、ベンチに腰掛ける。雲海が美しかった。
しばらく休むと、身体がふと軽くなる。
つい欲を出し、見晴台へ進む。
一服していると、「日向薬師」の方向から、二人の男性登山者がやって来た。
彼等と一頻り山の話をする。
調子に乗り、二人と山頂を目指す。
山頂直下で、またも不調に。
10分ほどの立ち休みを。
やっとの思いで山頂に立つ。
広い山頂は表も裏も人、人、人...

そんなわけでアルプスは諦めた。
K君に手頃な山の選択を委ねる。

「安達太良山」は初見参の山。
計画では、早朝4時に出発予定だったが、
寝坊で、圏央道に乗ったのが、午前5時半。
登山口駐車場に到着したときには、時計は9時をまわっていた。
ゴンドラに乗る予定は無かったが、如何せん、陽が昇りすぎていた。
上りだけゴンドラを利用する観光登山になってしまった。

この日は至って快調で、珍しく上りで全員を追い抜く。
「くろがね小屋」経由の下りは「爆裂火口」その他で見所満載。
途中で怪我をした年配夫婦に出会う。
ご主人は手の甲からかなりの出血。奥さんは二の腕を捻挫。
見過ごすわけにもいかないので、止血手当とテーピングを施す。
どんな山行でも欠かさない、救急セットが役に立った。
手を守るため、常備の軍手を提供し、先を急ぐ。
先日までの不調が嘘のように足が動いた。
下りでも、先行者を全部抜いて、無事駐車場に戻ってきた。

その日は郡山のビジネスホテルに1泊。
旅行割りのお陰で、料金はほぼ半額。
おまけに3000円の買い物クーポンも入手。

リンゴと葡萄を買った農協販売所の親切さに気持ちが温かくなる。
やっぱり、東北は人が良い。







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「鍋割山」でうどんを食らう ... [自然]

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ずっと晴天が続く。
半ばには雨の予報だが、週末は晴れらしい。

先週末、愛車で東名高速を進んだ。
目的地は十里木高原。
越前岳を登ろうと決めていた。
何回も登ったがいつも山神社からの周回だった。
今回は富士山の写真を撮りたいと初めて十里木から登ることにしていた。
ところが、大井松田インター近くになると、渋滞が始まった。
カーナビが示す渋滞の長さは7キロと出ている。
高速道路の渋滞は、ずっと停車しているわけではないので我慢すればボチボチとは進む。
しかし、それも我慢できない性分だから困る。
短気を起こして大井松田で東名高速を降りてしまった。
どこへ行くか思案する。
246を左へ曲がれば「丹沢湖」。
すっかりご無沙汰の「檜洞」でも登ってみるか。
それともいつもの「寄」か。
結局右へ曲がり「寄」へ。
駐車場の混雑はなく、すんなりと愛車を停車する。
一服しながら左右を見渡した。
西側は「シダンゴ山」方面。
東側は「鍋割山」方面。
同じ低山でも鍋割山コースはかなりきつい。
毎週の登山で脚には自信がある。
結局きつい方を選択した。
斜度のある舗装された農道を上って行く。
数名の登山者が先行していた。
早い息を吐きながら、登山道入り口に到着した。
手の行き届いたお茶畑が美しい。
視線を下に向けると寄の家並みが箱庭のように綺麗だった。

獣除けの鉄扉を開き登山道を進む。
「櫟山」で先行者に追いついた。
休憩せずに先を進む。
次のピークの「栗ノ木洞」までは15分。
ここまでは良いのだが、ここから「後沢乗越」まで大きく下りが始まる。
帰りの登り返しを考えると気が消沈する。
「後沢乗越」から「鍋割山」山頂まで、これでもかとの登りの連続だ。
休まず進んだ報いがここで現れた。
前へ進む気分ではなくなった。
登りの入り口で、とうとうザックを下ろし休憩をとる。
腹も空いてきた。ここまで水と電気タバコ以外に口に入れたものがない。
10分ほどの休憩後、意を決して登り始める。
行けども行けども登りの連続だ。
「県民の森」からの登山者が数多く列を作る。
荒い息を吐きながら山頂に到着する。
山頂は先日の大山のような人の数だ。
腹が減った。
なんどもここまで歩いてきたが名物の「鍋焼きうどん」を食べたことがなかった。
注文客の列に並ぶ。
一杯1500円也のそれを注文した。
周辺を見渡すと多くの登山者がうどんをすすっている。
富士山の見える最良の草むらに腰を下ろし、鍋を手にした。
冷えた身体に熱いうどんが有り難い。
ただ、長ネギが半生で気持ちが悪くなった。
それもあって、用意してきたドリップコーヒーは止めにした。

さぁこれから来た道を戻る。
あの登り返しが始まるのかと考えると気分が落ち込むが進むしかない。
早足で下り始めるが、中年男性二人組がかなりの速度で横切って行く。
大したものだと感嘆した。
上には上があるものだ。
それでもイーブンペースで走り下った。
いよいよ登り返しに辿り着く。
先ほどの二人が上に見える。
這々の体でピークに到着する。
核心部はこれで終わりだ。
あとはいつもの通り、駐車場まで走れば良いだけだ。
時計の針は2時を指している。自分の見立てたタイムを一時間もオーバーしてしまった。
しばらく進むと、先行していた二人が休憩している。
「速いですね」と声を掛けると「おたくも相当に凄い」と褒められる。
もう少しで、林道だ。
これを横切れば、登山口までもう少し。
途中、先行の青年と話しながら走った。
駐車場に到着する。
バス利用の青年にコーヒーをご馳走した。
毎週、自分と同じように、山を登っていると言っていた。
さぁ帰ろう。時計は3時ちょっと前。
スマホで「ヤマップ」を参照するとピストンに要した時間は5時間30分。
予定より少しだけ超過したが、出来としては上々だった。
それにしても、速度違反の二人はとうとう下りてこなかった。

「今日の歌」
緑にぬれている山
紅く燃えてる山
白い眠りにつく山
いろんな色に
姿を変えて生命はめぐる
街から遠く
そんな風に見えた

いろんな顔を見せてよ
まだ見ぬ俺の
たやすく決めつけないさ
自分のことを
めぐる生命の音が聞こえる
そいつに乗れば
素敵なことだろう

「山辺に向いて」から引用
作詞 岡林信康
作曲 岡林信康
歌唱 岡林信康

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赤い世界でクミコを ... [自然]

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今日も秋晴れ。爽やかな一日だった。
昼休みにベランダでダックスと日向ぼっこ。
強めの風にダックスの耳がゆらゆら動く。

昨日は大山寺の紅葉見物に出掛けてきた。
早朝の5時に目覚める。
それなのに、電車に乗ったのは7時。
前日の準備を怠った報いだ。
あれ、今日は祭日じゃなかったのかと錯覚するほど車内は混んでいる。
殆どの人が通勤客のようで、遊び支度が後ろめたい気持ちになった。

伊勢原駅に到着し、大山行きのバスに乗り込む。
思ったほどの混雑はなく最後尾に座った。
終点に近い駐車場は既に満杯。
終点のバスロータリーに近づく頃には参道へ向かう人の列が見えた。
バスを降りて一服しているともう直通バスが向かってくる。
まるで正月みたいだ。

列に加わり土産物屋が並ぶ参道を進む。
入り口から大山ケーブル駅までは階段が続くので息づかいが荒くなる。
何人もの観光客が立ち休みをしていた。
とくに年配者にはきついのだろう。
ケーブル駅には長い人の列が出来ていた。
紅葉のこの時期は、ライトアップもされるので20時までケーブルカーは動いている。
ケーブル客を横目に歩を進めた。
男坂・女坂の分岐に到着する。
この場所にある「追分社 八意思兼神社」で身支度を整える。
ちなみに「やごころおもいかねじんじゃ」と読むようだ。
今日の目的は「大山寺」の紅葉なので、迷わず女坂を進む。
春には「ミツマタ」が咲き誇る参道を赤い前掛けの地蔵が迎えてくれる。
「前不動」と「龍神堂」に到着した。
建物を覆おうような見事な赤が目に染み入る。
手を合わせしばらく進むと目的地の「大山寺」が見えてきた。
既に多くの観光客でスマホを向ける余地もないほどだ。
長い石段を両端から紅葉が覆い被さる。
静寂の中でこれを見てみたい。もっとも誰しもが思うことだろう。
しばらくここで時間を過ごし、下社へと向かう。
女坂の核心部だ。
男坂との合流まで、きついガレ場を進む。
毎週の山歩きが幸いし、一気に合流部に到着する。

下社での人出は本当に正月のそれだった。
長い参拝の列に並ぶ。
さてこれからどうしようか。
山頂へもと考えたがあまりの人出に登る気が失せた。
小洒落た喫茶店「石尊」でコーヒーでもと暖簾を潜る。
予約表に並ぶ客のなんと多いこと。30人待ちみたいだ。
境内に戻ると海に向かい記念撮影をする人たちが扇の如く広がっていた。
カメラやスマホを渡され、シャッター依頼を随分と受けた。
確かに目の前の紅葉と江の島が浮かぶ相模湾のコントラストは
言葉に出来ないドラマだった

階段を足早に下り、分岐近くの広場で休息する。
杉の古木にサックを下ろし、早めの昼食。
周囲には数名の休憩者しかいない。
スマホに録り溜めた音楽を流す。
握り飯を頬張りながらクミコを聴く。
もっとも「百万本のバラ」を流すわけにも行かない。
森の中でひっそりと流れる「車輪」「こころ」...
まぁ至福の時間だ。
握り飯と卵焼き。
どんな高価な料理であろうともこの瞬間には敵わないだろう。
馬鹿みたいに悦に入る。
離れて座っていたご婦人が「あらクミコじゃない」
「男の人も聴くのねぇ 素敵」だって...
山頂を省いたので帰宅は正午前だった。

「今日の歌」
見果てぬ夢を 数えたままで
そよ風 揺れたら
梢から 旅立つの
また会えたら そのときはもう
抱きしめてはなさずに いてほしい

青空
過ごした時間の長さじゃ はかれぬ仕合わせ
青空
あなたに出会えて ほんとによかった

青空
いつでもここから あなたを見てる

「わたしは青空」から引用
作詞 覚和歌子
作曲 三木たかし
歌唱 クミコ








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初見参で ... [自然]

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あぁよく寝た。
久しぶりに熟睡できた。
ベランダへ出ると今日も秋晴れ。
今日も一日無事であるようにと富士山に挨拶。

行楽の秋。渋滞を覚悟で自宅を出発。
昨日の土曜日。乾徳山を目指して愛車を走らせた。
海老名から圏央道を走る。
案の定、相模原インター手前から大渋滞が始まった。
カーナビの示す、赤いラインが中央高速まで繋がる。
覚悟はしていたが、こりゃ駄目だと諦め、下道に降りた。
予定変更で、陣馬山からの縦走に切り替える。
ところが、下道ルートも真っ赤かだ。
棚に上げては言えないが、コロナが収まるとどうしてこうも人は出たがるのか。
どうしようもなければ、引き返せば良いと、相模湖駅を目指した。
とりあえず、止まり止まりで車は進む。
バス停の名に興味が湧いた。
「石老山入り口」。
地元では有名な山だが、自分は登ったことがない。
気にはなったが、それを素通りした。
しばらく走ると、旧「相模湖ピクニックランド」が現れる。
フムッと考えが頭を過る。
このまま進んでも、渋滞は続くし、陣馬山方面もハイカーで一杯だろう。
帰りの渋滞を想像すると気分が滅入った。
愛車をUターンさせて、旧「相模湖ピクニックランド」に滑り込む。
駐車料金は一日1000円也。
出入り口付近にある広大な駐車スペースは殆どガラガラ。

身支度を済ませ、「石老山」を目指す。
「石老山入り口」バス停から案内板を頼りに勾配のあるアスファルトを進んだ。
「相模湖病院」の裏手駐車場から登山道があるらしい。
しばらく不明瞭な細道を辿ると「顕鏡寺」に着いた。
香しい匂いが漂う。山門の前には夥しい数の銀杏が落ちていた。
菩提寺の「遊行寺」は、銀杏を拾う人で賑わうのに、ここでは珍しいことでもないのだろう。
「顕鏡寺」※https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/camera/report/1011147/1011175.html
より引用
大正から昭和にかけて活躍した歌人・柳原白蓮(やなぎわらびゃくれん)が眠る石老山顕鏡寺(緑区寸沢嵐)を訪れました。
石老山の登山道の中腹に佇むこのお寺は、平安時代の貞観18年(876年)、源海法師によって創建されたといわれる真言宗の古刹(こさつ)。境内には、岩窟をはじめ、樹齢数百年ともいわれる根が巨大なヘビのように露出していることから蛇木杉(じゃぼくすぎ)と呼ばれる杉、かながわ名木100選にも選ばれた大イチョウなどの古木もあり、神秘的な雰囲気がします。
夫が相模湖周遊をした際に石老山に登ったことをきっかけに、白蓮もこの地を訪れ、相模湖や丹沢の山々など自然あふれる景色にとても感動し、この地に住み始めたそうです。白蓮は家族を大切にしながら、執筆などを続け短歌の普及に力を入れたといいます。その生き方は、同じ女性として共感する人も多いと思います。今は、長年愛した石老山の墓所に最愛なる家族と静かに眠っています。
春には新緑が美しく、秋には紅葉、石老山では美しい景色を楽しめます。山頂では相模湖や丹沢の山々を一望できます。
遠き昔に思いを馳せながら。白蓮も見たであろう石老山の美しい景色がそこにはあります。

ところが、「顕鏡寺」からの本ルートは、2019年の台風19号で大規模崩落し、今も通行止め。
周囲を見渡しても、迂回できそうなルートは不明。
もう1個所、通行止めの看板を見つけたが、先には進めそう。
しかし、こうなりゃバリエーションで登るしかないと、適当な斜面に張り付いた。
掴もうとする枝の殆どが枯れ枝で役に立たない。土も岩もすぐに崩れる。
もうクライミング状態だ。斜度は60度前後だろうか。
足を踏ん張り、少しずつ登るのだが、柔らかい斜面はたちまち崩れる。
ピッケル代わりにトレッキングポールを突き刺し懸命に登った。
落ちれば怪我だ。
40mぐらいの急斜面を登り切り、本来の登山道に合流できた。
見つかれば、大目玉を食らうであろう蛮行であったが、楽しかった。

木段やガレ場を進むと、奇岩が現れ出す。
その殆どに由緒の説明板が立っている。
朱色の奥の院?には、可愛いお猿さん?が祀られていた。

途中大きな崩落で登山道が断ち切られていたが足早にそれを跨ぐ。
危険区域はここで終わり、山頂まで九十九折りを登る。
山頂に到着。ここまで約一時間。
クライミングもどきがなかったら、恐らく50分ぐらいの道中だっただろうか。

山頂には10人ぐらいの先行者が休憩していた。
眺望は乏しく、木立の合間に、富士山と丹沢山系が見えていた。
数枚の写真を撮影し、早めの昼食をとることに。
ここで、掛けていたはずのサングラスがないことに気付く。
登頂までは掛けていたのは確かなので、山頂で落としたか外したかである。
何回も往復し探したがどこにもない。
あぁ本日の遺失物はカルピスソーダにサングラスか ...
諦めて食事する。
貴重な一本だけの水を少し流し込む。あぁ美味い。
これと云って眺める景色もないからと下山支度にとりかかる。
ザックを背負い、最後にもう一度探してみようと、山頂までの狭い地面に目をこらした。
山頂標識付近をうろうろしていると4名の女性グループに写真撮影を頼まれた。
スマホを渡されたとき側のテーブルに何かある。
なんと我がサングラス。
声を掛けられなければ見過ごしていた。
撮影の礼を言われたが礼を言うのはこちらの方だ。
あぁ良かったと疲れが飛んだ。

来た道の本来は通行止めだ。
もうマナー違反は止めておこうとみんなが登ってくる推奨ルートで帰ることにした。
これで、周回したことになるし。
展望台下の分岐案内板には、下ろうと考えていた道の案内がない。
どうもこのルートも崩落で通行止めなのかもしれない。
しかし、結局この道を降りることにした。
急勾配の荒れた道だったが、危険はないようだった。
不明瞭の個所もピンクテープのお陰で不安は少ない。
ただ中盤以降は岩のガレ場になるから馴れていない人には危険がある。

薄暗い登山道が終わりキャンプ場に着いた。
小さなバンガローがあちこちに点在していた。
夏には大勢のキャンプ客で賑わうのだろう。
舗装された林道をしばらく進むと信号が見えてきた。
なんと、旧「ピクニックランド」の真ん前ではないか。
なんだか、ズーンと疲れが出た気分だった。
帰宅すると相棒のK君からLINEが。
故あって独身の彼はこの日彼女と武甲山に登ったらしい。
秩父の名山であるが自分は登る気がしない山だ。
以前秩父の芝桜公園を訪れたときこの山が見えた。
身を削られた山肌が痛々しかった。
神奈川県にもこんな山がいくつかある。
日本経済のために犠牲になってしまった山。
実際、初めて武甲山を眺めたとき思わず涙が落ちたことを記憶している。

「今日の歌」
生きてゆくことの意味 問いかけるそのたびに
胸をよぎる 愛しい人々のあたたかさ
この星の片隅で めぐり会えた奇跡は
どんな宝石よりも たいせつな宝物
泣きたい日もある 絶望に嘆く日も
そんな時そばにいて 寄り添うあなたの影
二人で歌えば 懐かしくよみがえる
ふるさとの夕焼けの 優しいあのぬくもり

「いのちの歌」より引用
作詞 Miyabi(竹内まりや)
作曲 松村崇継
歌唱 竹内まりや



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大好きな犬たちへ ... [自然]

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寒い朝だった。
いよいよ、冬が近づくのか。
朝一番で検診があった。
胃の内視鏡検査もしてきた。
本当に病院は苦手だ。
この秋初めての山用フリースを羽織る。
どうせ古物の身体だ。あちこちにがたが生じているはずだ。
検査結果は2週間後に届くらしい。
午後になると気温は上がり、Tシャツ一枚になってしまった。

昨日の日曜日は、今日の検診を控えていたので止めようと考えていた。
でも、ほぼ毎週の山登りが麻薬のように染みついている。
それはもう脅迫にも似たものだ。
どこでも良いから登りたい。
そんなわけで相も変わらず大山へ行ってきた。
電車とバスを乗り継げば、渋滞の心配もない。
第一、目標とする14時には帰宅できる。

先週のヤビツ峠経由は止めにして、正道の大山寺経由とした。
男坂、女坂とコースは分かれるが、どちらも自分は大の苦手としている。
大山寺の紅葉は素晴らしい。
カレンダーなどでも度々取り上げられる。
しかし、景色は先週と変わらず。
まだまだ、色とりどりの葉っぱには早すぎた。
今月末辺りが適当なのだろう。
下社までの急登を順調に熟す。
男坂との合流地点に着いたところでタオルがないことに気付く。
このタオルは特殊繊維でかなり高額だった。
慌てて階段を下り降りる。
間を置かずハイカーが登ってきた。
若い女性の二人組にタオルの発見を尋ねた。
「ああ、ブルーのタオルですね。ありましたよ。」
「どの辺りにあった?」
「かなり下ですよ。」
礼を言って、更に下る。
しかし、一向に姿を見せない。
こんどは、青年に尋ねる。
「もっと下でしたよ。」
もう既に半分以上を降りている。
体中から汗がにじみ出ていた。
あった!
なんと、登り口ではないか ...
女坂とはいえ、再びの登りにウンザリする。
しかし、下社に参らない訳にも行かず、再び登り直したのである。

下社に着くと既に、観光客とハイカーで境内は満杯だった。
ケーブルカーも次々と人を吐き出していた。
登ろうか登るまいかと思案する。
本登山道は人の並が予想される。
散々迷った挙げ句、「かごや道」と言う名の脇道を選ぶ。
鶴巻温泉駅や蓑毛バス停からの登山道と合流できる。
この道を歩くのは5年以上も前のことだった。
入り口もとうの昔に忘れていた。
ケーブルカー駅で年配の駅員に教えてもらいやっとスタート地点に到着する。
なんと、本登山道入り口を横切れば良かっただけだった。
はやく尋ねていれば良かったものを。
ここで、30分を費やしてしまった。

案の定人っ子一人いない静かな道。
谷から吹き上げる涼やかな風が心地良い。
ここでも紅葉した木などほんの少しだけ。
遠くから、本登山道を上る人の声が聞こえる。
みんなお尻を見上げながら歩いているのだろうか。

合流地点に到着したが、人の姿は見えず。
良かったこの道を選んでと一息つく。
ここからは核心の登りが始まる。
大山はどこから登っても急登を避けられない難儀な低山だ。
荒い息を吐きながら、本登山道との合流地点に辿り着いた。
ここから山頂までまだしばらくガレた登りが続く。
さて、この辺りからやけに犬の姿が現れだした。
ムッとする。自分は犬連れが嫌いだ。
犬の身体に良いわけがない。虐待だと思っている。
使役犬である猟犬たちとは全く違う。
犬種によっては足腰を痛める。
ましてや大山の場合、道中の殆どが岩のガレ場である。
飼い主の自己満足と優越感しか感じられない。
犬はオモチャではないのだから。
同じ県内の人気低山である金時山ではあまりこの光景を見受けない。
登る人のほとんどが登山と認識しているからだろうか。

山頂も正月同様の賑わい。
コンビニで調達したサンドイッチを頬張り15分ほどで下山。
帰りも「かごや道」を下りてきた。
鹿君が見送ってくれた。
タオル紛失や道迷いで帰宅したのは14時半。
この日のトレックは気分爽快とはいかなかった。
今週末はどうしようか。
願わくば早く工事が終われ東名高速。

「今日の歌」
あなたの悲しそうな視線の先にあるのは私のせい
なんで怒鳴っているの教えて 泣かないでって涙拭いて
思ってることのすれ違いで束縛なんてしないで
すねるけどやっぱり褒められたくて目を見て私の名を呼んで
追いかける四六時中 膝で眠る 夢を見る
日が落ちてまた朝が来る 待ち続けてるよあなたのキス
外には時に敵もいるからさ 私がいつも味方でなきゃ
傍にいて守ってあげなくちゃ あなたは本当に弱いから

君がいなくなったらって
考えたら涙が止まらないよ
首をかしげて不思議そうに見て
黙って私の涙拭いている
すやすや眠る君が可愛くて
ちょっかいかけて邪魔してごめんね
君のわがままも潤んだ瞳に見つめられるとゆるせちゃうよ

限られた時の中で
君に何回愛してると言えるだろう
純粋な笑顔に永遠を願った
To my...LALA...

「LALALA feat.若旦那(湘南乃風)から引用
作詞 Miliyah・若旦那
作曲 Miliyah・若旦那

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大山で怒鳴った ... [自然]

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穏やかな秋の一日。
昼頃まで上着の要らない温かさだった。
こんな日が続いてくれたらありがたい。

衆議院議員選挙が終わった。
予想の割には、自民党の大勝だった。
出口調査の不正確さを露呈した。
ただし、ベテラン議員の中には、落ちるべくして滑り落ちた人もいる。
いつも通りの低調な投票率。
それでも、意識の高い地域があったということだろう。
自民党に拘わらず立憲民主党もそろそろ顔を変えるときだろう。
共産党との連携が敗因と決めることは簡単だ。
でも、それだけではないだろう。
枝野さん、蓮舫さん、福山さん...
飽きられている。思想が揺らいでいる。
多くの人々が感じていることじゃないか。
ともあれ大勢に変化はないと言うことだ。

1年以上ぶりで電車とバスで大山をトレッキングしてきた。
秦野駅前バス停は思いの外空いていた。
苦手なヤビツ峠までの山道も座っていたので気分は楽だった。
いつも通り表尾根と大山に登山者が分かれる。
一服しながら朝食代わりのコッペパンをかじる。
静かになったところで出発した。
階段を上りきるとなんと真新しいレストハウスが建っていた。
1年もご無沙汰のヤビツ峠。
僅かな期間とは云え、時間の経過がやけに身に染みこんだ。
しかし、大抵の場合、この峠は出発地になる。
大山の場合は下社へ下るし、表尾根はバカ尾根に向かう。
下りも戻りも人は少ないと考えるが、商売になるのかなと余計な心配をした。

トレラン姿の若者グループに追いついた。
若いだけにみんな早足だ。
つられるままに急登をつめる。
登り切ったところで、彼らは服装の立て直し。
もともと薄着の自分は挨拶をして通り過ぎた。
そのうち追いつかれるだろう。
しかし昨日の脚はいたって快調だった。
息が荒くなっても脚だけは動く。
歩きながらカルピスソーダ・グレープフルーツ味を喉に注いだ。
この日はいつものコーラではなくこれにした。最近のお気に入りだ。
45分で下社との分岐に到着する。
さっきの若者達は姿を見せない。
勝った!自己顕示の塊!
今にも雨が降りそうな空模様。当然、富士山など望むべくもない。
表尾根の稜線を見ながら数分の立ち休み。
山頂直下のガレ場も順調にクリアした。
途中コーラの空き缶を拾い上げた。
観光地でもある大山ではちょくちょくこれがある。
「大山山頂茶屋」の親父さんに空き缶を渡した。
うるさいことは言いたかないが、町であろうが山であろうがポイ捨てをするな。

山頂に到着する。コースタイムは1時間を切っていた。
山頂は思いの外空いていた。
北に目をやるが筑波山もスカイツリーも雲の中だった。
15分の休憩で下山。
いつもどおり走り下りる。
親子か姉弟か。ずっと後に付いてくる。
登山者とのすれ違いに足を止めた。
するとその脇を二人が追い抜いてゆく。
狭いガレ場だ。
ぶつかれば怪我人が出る。
思わず「ルールを守れと」怒鳴ってしまった。
折角の快調気分が途端に薄れた。
有ってないような原則「自転車にはヘルメット」。
山のルールも同じだ。やれやれだ。

「今日の歌」
今は 苦しくて
それでもなぜ 生きようと
こらえようと するのだろう
明日を信じて しまうんだろう
咲いては枯れて 朽ちてく花も
忘れたころに いつか実をつけるよ
時は 止まらない
まぶしい夢も かなしみも
めぐりめぐる 車輪にのせて
全部 昨日にかえてゆく

「車輪」
作詞 覚和歌子
作曲 三木たかし
歌唱 クミコwith井上芳雄





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久しぶりの百名山へ ... [自然]

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今日の富士山はすっかり雪化粧。
早足で寒さがやって来た。
四季の移ろいが薄れてきた気がする。これも温暖化の影響なのだろう。
若かった頃の海も山も風情が変わってしまったのか。
コロナ禍が富む者、貧する者の格差を更に広げたと感ずる。
折りしも衆議院選挙の最中だ。
真っ当な政治を望みたいが、当選したいがための主張ばかりで空虚さだけが喉につかえるようだ。

先週末、数年ぶりで「瑞牆山」を登った。
今回はマイテント持参。
金曜日の夕刻にテント場に到着した。
天気予報はずっと曇り。
ところが、到着時は青空が広がり、幻想的な「瑞牆山」がそびえ立っていた。
テントを張り、一服していたら辺りがオレンヂ色に染まりだした。
慌ててスマホを山に向ける。
アーベントロートに染まる「瑞牆山」。思わず息をのむ。
何と、神々しい光なのだろう...
その晩は周囲のいびきに悩まされながら、浅い眠りについた。

「今日の歌」
流れる星は 今がきれいで
ただそれだけで 悲しくて
流れる星は かすかに消える
思い出なんか 残さないで

Ah 君の欲しいものは何ですか
Wow 僕の欲しかったものは何ですか

※作詞・作曲・歌唱 吉田拓郎

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人生下り坂最高 ... [自然]

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山登りの相棒K君からLINEが入った。
「どこか登りましょうよ」。
K君は花の独身。
山以外にもゴルフだ海だとなかなかのアスリートぶり。
お姉さん達との交遊もお盛んだ。
健康的行動と裏腹の自堕落のせいかちょっとメタボ体型になっている。
もっとも人のことを言える自分でもないが。

西丹沢は先日のヒル攻撃で寒くなるまで遠慮しておく。
さりとて箱根外輪山や大山はさすがに飽きた。
誇張でなく真っ暗闇でも歩けてしまうだろう。
そんなわけで目的地を御坂山塊と決めた。
十二ケ岳や毛無山方面は登っているが縦走は未経験だった。
日帰りの場合遅くとも15時には帰宅したい自分には中途半端な距離だ。
でも登る山が見当たらないから仕方が無い。

西湖湖畔から登り始めて「王岳」を目指す。
初見の山なので様子が分からない。
しばらく整備された林道を歩く。
崩落が数カ所有り、小さな岩が林道に散らばっていた。
15分ほど進むとやっと「王岳」登山口に到着する。
緩やかな登山道を進む。
入り口までの林道の方がきつく感じた。
20分も経過した頃からじわっと汗が出る。
さぁここからが本番だ。足の運びはいつも通り快調そのもの。
振り返ってもK君の姿は見えず。
K君は独り身が手伝ってあちこちの高山を歩いている。
だから山についての知識は豊富で全く心配していない。
二人で行動するときは余程の高グレードの山以外ほぼ単独登山と同じである。
若い女性だけのグループに追いつく。
身支度からしてほぼ初心者のようで地元の仲良しグループだと云う。
この日が楽しかったら全員が山を始めるそうだ。

それにしても長い距離を歩いている。
急登が少ない代わりに距離が長いようだ。
山頂近くにやって来ると笹の群生が始まった。
狭い登山道の左右から笹が伸び放題で閉口した。
ましてや左側は崖地である。
反発の強い笹に身体を押されたら危険この上ない。
笹の群生はほぼ山頂まで続いていた。
やっと「王岳」に登頂する。
他の山と同様コースタイムの8掛で登り切った。
富士山は雲に覆われ頭だけを出していた。
単独の年配女性が休憩していた。
近くに住む女性で富士山周辺はほとんど登っているらしい。
しばらく話し込んでいるとK君が姿を現した。
「一体何歳なのですか。どこかおかしいんじゃないか」と口を尖らせる。
コースタイムでの登頂が当たり前のK君には自分が異常に感じているのだ。
一回り以上年の差がある年寄りに先を行かれる悔しさもあるのだろう。
「まぁ良いじゃねぇか。アルプスじゃ何度か負けているのだからさ」と慰めた。
そう言えば先日の「両神山」でも打っ千切ってやったっけ。
この日は初見の山でもありピストンで終わる予定でいたのだが、如何せん時刻が早すぎる。
「ここで引き返して良いよ。俺は周回してみるよ」とK君に伝える。
口を尖らせ「行きますよ。僕だって」とK君が答える。
10分ほどの休憩後、先に進むことになった。
次の経由地は「鍵掛峠」という分岐だ。
小さなアップダウンを繰り返しながら峠に到着する。
ここから駐車場まで下る道がある。
K君は疲労困憊の体。
「ここから下りなよ」と告げる。
「冗談じゃないですよ!行きますよ!」とまた口を尖らせた。

次のピーク「鬼ケ岳」まではロープがあったり岩登りがあったりと心が躍る。
ガスが濃くなってきた。
山頂に到着しても展望は全くない。
山名に相応しく角岩が突き出していた。
ガスがなければ遠く南アルプスや金峰山と瑞牆山の秩父山系も見えていたはずだ。
ここで昼食にする。
途中のコンビニで買ったナポリタンを口に入れる。
冷たくて不味い。
3口ほどで蓋を閉じた。失敗だった。
前の晩に凍らせておいた水が最高に美味かった。
どこの山行でもあまり食事というか行動食をとらない。
当然用意はしているのだが腹が減らないので困る。
これで何度失敗を繰り返したことか。
20分ほどの休憩後下山の準備を整え分岐へ進む。
10分ほどの短い距離にこの日最後のピーク「雪頭ケ岳」へ到着する。
ピークなどあるのかないのか分からないほど狭小だ。
手書きらしい山名看板がなければ通り過ぎてしまうだろう。
先を進むと梯子が出現する。
この辺りはちょっとした岩稜帯である。
雲が流れ出し青空も広がりだした。
富士山が姿を現してくれた。
でかい!やはり日本一の山である。
線状の残雪も絵のようで美しい。
我が家から見える姿とは異なり宝永山は見えない。
左右ともスッキリとしたすり鉢だ。
「子抱き冨士」として有名な大室山もくっきりと見えている。
これが正面なら富士山の真ん中に大室山が填まるのだが。
この先も山塊は続いているのだが時計の針は14時に近い。
満足し下山を開始する。

しばらくは岩の斜面を下って行く。
3分の1程を下ったところで丁度14時だ。
3名の若い男女が登ってきた。
こんな山にこの時間かと訝しさより呆れた。
間違いなく下山時は暗闇になるだろう。
道迷いの遭難が減らない訳である。
岩稜が終わり通常の山道になった。
ここからはいつもの通り走り下りる。
樹林帯に入ると既に夕方のように暗い。
先ほどすれ違った3名を心配する。
行程の半分ほどを過ぎた辺りでK君を待つことに。
しかし15分ほど待ってはみても姿を現さない。
まずい。道に迷ったか。スマホは通じない。
下ろしたザックを背負い直し、登り返し始めた。
大きな声でK君の名前を叫ぶ。
「ハーイ」と返事が聞こえる。
あぁ良かった。無事だった。
「後ろ姿はトレランですよ。馬鹿じゃないですか」
「うるせーよ!心配させやがって」と軽口で返す。
「登山口までこのまま行くよ」と走り出す。
「堰堤広場」に到着する。
ホッとため息をつく。

結構ハードな行程だったが怪我もなく無事に下山することが出来た。
愛車に戻り山塊を振り返る。
高い長い深い。
よく登ってきたなとまた安堵の溜息をついた。
山登りは人生に例えられることが多い。
確かに縮図と言えばその通りかもしれない。
多くの人が人生を振り返る場所かもしれない。
山の神に感謝だ。

生きることの全てを 背負いながら坂道を辿る
それぞれの抱く 自分だけの峠を目指す
いつか叶う筈の世界へ
雲を抜けて 君の夢に手が届く
君は空になる らららら...

「空になる」
          作詞・作曲・歌唱 さだまさしから引用 


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足が重かった武尊山 ... [自然]

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春の陽気になってきた。
半袖Tシャツにフリースを重ねただけなのに暖かい一日だ。
春はすぐそこまでやって来たのだろう。
ダックスはクッションを入れた小さなベッドで一日中寝ている。
散歩に連れ出そうにも横になったまま動かないので昼間の散歩は中止にした。

今度は森喜朗さんの女性蔑視発言で大騒ぎだ。
なんだか言葉にするのも馬鹿馬鹿しくなる日本の実態。
本人も周囲も頭の程度が軽すぎる。
つくづく納税するのが無駄に思える我がニッポン。
それでも確実に花粉と共に確定申告がやって来る。

先週の土曜日は3時半に起床した。
眠りの浅い日々が続いているがこの日の睡眠時間は賞味2時間弱だった。
K君が4時半に迎えに来てくれた。
その日は上州武尊山への雪山登山に出掛けたのである。
高速出口は関越道の沼田だから3時間ほどの長距離ドライブになる。
往復ともK君が受け持ったから助手席の自分は楽ちんだった。
コロナ感染に注意してSAへの立ち寄りは止めることにしていたが、
如何せん自然現象は抑えられない。
しかし、神経質な自分は外へ出掛けると用足しが出来ないで困る。
子供の頃からそうだった。だから、気分の悪い一日を過ごすことになる。
トイレ休憩のため赤木SAに立ち寄る。
空が白み始め遠くの山々が銀色に光り出していた。
沼田インターを降りて30分ほどでこの日の目的地川場スキー場に到着した。
登山口までスキーリフトを乗り継ぐので気楽な雪上トレックと考えていたが、
それが大間違いだったと後で気付くことになる。
受付で登山届を提出し、リフト券と遭難時に必用な「ココヘリ」をレンタルする。
「ココヘリ」は遭難した場合、電波で遭難者の居場所が分かる装置で、
最長16kmが探知可能らしい。
何も山岳だけではなく、どんな場所でも役立つアイテムだ。
最低年会費の3000円ちょっとで命が助かるのだから使わない手はない。
第一、救助隊の労力も軽減されるから入会は必須なのだ。
自分も入会しようとは考えているが、深い山岳を歩くわけでもないからと躊躇っている。
山好きとしては失格だろう。

スキー客のほぼ9割が若者で、そのほとんどがスノーボードが目的のようだった。
コロナ禍の割には客数は多かったが、例年に比較すればそれも半分程度だろう。
リフトを2回乗り継ぎ終点に到着する。
風も弱く気温も程好く空は快晴。
雪の白さが目に痛いほどだった。
アイゼンを取り付けストックを両手にさあ出発だ。
出発地点からそこそこの急登が迎えた。
今冬初めての冬靴とアイゼンで足取りは重い。
登山者の数も多く、他人の尻を見上げながら進むので却って都合は良かった。
振り返ると谷川連峰の山々や浅間山が美しい。
アイゼンを付けた足下がギュッギュッと音を立てる。
西峰に到着すると小さな祠が建っていた。
修験の山を感じた。
当然のこと周囲は白一色の世界だ。
目の前に剣が峰がそびえる。まるで小さなマッターホルンのようだ。
写真だけ見るとここが日本かとも感じてしまう。
雪庇も多いのでうっかりトレースを外さないように前を進んだ。
登山者が多かったのでトレースには困らないから助かった。
青息吐息で剣が峰に取り付いた。
スパンは短いのだが如何せん急登だからちょっと気分が萎えてきた。
それでもアイゼンの威力で難なくピークに辿り着く。
さぁ今度は下らなければならない。
それまで補助してくれたストックからピッケルに交代する。
ピッケルの先端を打ち込みながら慎重に降りる。
ここでもアイゼンの前爪が身体を支える。
多くの人が長いピッケルを杖代わりに使っているが、
ピッケルは短い方が効果的なことを実感した。
あくまでピッケルの役目は斜面の支えと思った方が正解だろう。
ここまでやって来ると周囲の風景はパノラマである。
遠くに武尊山の山頂が見えてきた。
なだらかなスロープが美しく極上のケーキのようだった。
しかし、苦しい。
K君の調子はすこぶる快調で常に先行して貰ったが夏山とは正反対の道行きである。
年甲斐も無く悔しくなった。
40分ほどで武尊山山頂に到着した。
360度の大展望に思わずため息が洩れる。
多くの登山者が銘々に記念撮影をしていた。
風は弱いが滅茶苦茶冷たい。
疲労困憊の自分はザックからサーモスを出すのも億劫になっている。
見かねたK君が温かなカフェオレを差し出す。
紙コップのそれを飲み干し、そそくさと下山準備に入った。
朝日連峰、谷川連峰、至仏山、燧ヶ岳、白根山、皇海山、遠くにアルプス等々と
まるで絵はがきの展望に別れを告げ来た道を引き返す。
あぁまたアップダウンの連続かと考えると心底から嫌になる。
こんなに困ぱいしたのはいつ以来だろうか...
上りに3時間強下りに2時間強を費やしたが、
コースタイムより少しだけ短かったようだ。
下山後ココヘリのチップを受付で返却すると500円を戻してくれた。
車に戻ってから知ったことだが今日の山は日本100名山だった。
なるほど素晴らしい山だったわけだと今更ながら実感している。
帰りに立ち寄ったトンカツ屋のカツ重の不味さだけが唯一の失敗だったか。







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自分には無理 ... [自然]

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寒さがちょっとだけ和らいだ。
ダックスの歩みもスムースだった。
とうとう自衛隊に看護士の派遣依頼が出された。
急造で看護士を増やすだなんて暴論まで出ている。
えらいことになってきた。
間違いなくGoToなんとかのしわ寄せが押し寄せてきたのだろう。
いつも書くとおり経済と感染収束が平衡するわけがない。
政府はいつまで金を優先つもりなのだろうか...
どうせ金をばらまくのなら国民公平に商品券でも配りゃ良かったものをと思う。
もっとも下品な麻生さんははじめから言っていたっけな。

昨日は天城に続いて同じお得意様の山ガイドをしてきた。
金時山から少しだけ離れた矢倉岳である。
標高は700mちょっとだけだから箱根外輪山と大した違いはない。
いつもの自分なら登って下って2時間もかからない山である。
この日もザックの中身は水が2Lと調理器具で重たかった。
とにかくこちら任せの連れ様なので、面倒がかかる。
はっきり言って登山センスに欠ける人で、
一人だったら間違いなく事故に遭うだろう。

天候に恵まれ、遠く江ノ島まで視界に入った。
富士山も裾が雲に覆われてはいたが美しい姿を見せていた。
面倒だったので昼食はカップ麺に決めていたが、それだけではしょうがない。
持参の鍋に移すのが嫌だったから、コンビニでもつ煮込みを買った。
直接ガスに掛けられるものがこれしかなかった。
13時半に駐車場に戻ってきた。
休みを入れて4時間強だ。
お得意様だから仏頂面もできやしない。
疲れた。もうご免である。
登山に限らず趣味なんてものは自己責任につきる。
達成するためには、自己の努力と学びが必要であることを知って欲しい。
自分には到底、有償ガイドなんて務まらないな。

拓郎のファンクラブが閉鎖になった。
もの凄く寂しい。
コンサートも今後公演しないだろう。
繋がれていた微かな絆が切れてしまったようで気持ちが落ち込む。
心底からコロナを憎む...

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天城をガイドする(2) [自然]

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まるで夏だ。暑い。
どうかしているな今年の秋。
ダックスの散歩も長袖では暑すぎた。Tシャツ姿の若者も多い。
三連休の人出はどうなのだろう。暑すぎてマスクを外す人も多いのかも。
最近は多くの農家が直売をしている。
野菜は当然のこと、梨、葡萄、柿、リンゴの果物も多い。
ある程度組合員間で売価は調整しているはずだが、どこもよく売れている。
先日つき合いのある農家がこぼしていた。
低価格のルートから仕入れた野菜や果物を販売している組合員がいるというのだ
驚いた。こうなると農家ではなく八百屋だ。
ダックスの散歩の途中、その売店を覗いてみたらパイナップルまで並んでいた。
安いから買い物客が後を絶たない。
種子法改正が可決された。将来の日本農業に悪影響が出なければ良いがと思う。
でも、安い外国産の野菜や果物を全国中の農家が売れば、
そんな心配は杞憂に過ぎないのかもな。自分みたいな門外漢が憂うことでもないか。
みんながそんな風に感じだしたらこの国の未来は暗いよなぁ。

八丁池に到着した。
時計はあと少しで13時になるところだ。
それにしても人が少ない。
途中、出会った人数はトレランとマウンテンバイカーが各一人と男女のペアが一組だけだ。
Tさんにもやっと笑顔が戻った。
「綺麗でしょ。モリアオガエルの生息地でもあるんですよ」
「ヘーそうなんだ」
「遅くなりましたけど昼食にしましょうよ」
「そうですねちょっと腹も空きましたね」
そんな会話をしながら石階段のある池北側に歩を進めた。
ザックを下ろすと、身体が急に軽くなった。
それもそのはずで、2Lの水とガスボンベや調理器具が入っていたのだからな。
早速、ガスに火を点けて水を湧かす。
ティバッグの日本茶を入れる
コーヒーを飲まないTさんは「あぁこりゃ美味い」と笑顔を見せた。
「何を用意しましたか」と問うと
「いつもカップヌードルです」と答えた。
Tさんは勤めていた会社の同僚数名とよく山を登っていた。
北アルプスの表銀座から槍ヶ岳、南アルプスの北岳、間ノ岳、八ヶ岳等々、自分より頻繁に名山を踏破しているのだが、どうしたわけか基本が飛ばされているようなのだ。
例えば、歩き方、息の整え方、ポールの突き方などである。
恐らく、知識豊富なリーダー格に全てを委ねた登山だったのだろう。

カップヌードルは持ち帰って貰うことにし、持参した、カップカレーライスに湯を注いだ。
まぁ同じようなものだけど。
次はモツ鍋を温める。
「ヘェー。そんな物まで用意してくれたのですか」とTさんが驚く。
本当は豪華鍋焼きうどんを持参したかったのだが如何せん二人分は重い。
さぁ靄が流れる池を前面に昼食だ。
紅葉には少し早かったがそれにしても美しい風景だ。
テントを張りたい衝動に駆られた。
小一時間の休憩を終わり、下山の準備に入った。
背中も大分軽くなった。
それにしても人がまばらだ。以前、全山縦走した春には数え切れないほどの人の賑わいだった。
もちろん、今回の静寂の方が有り難い。
名残惜しい景色を後に、見晴台に向かう。
清潔なトイレが整備されている。有り難いことである。
見晴台からは池以外は何も見えなかった。ほぼ全てが靄に包まれていた。
直ぐに分岐に出る。Tさんは「天城隧道」を見たことがないという。
下山を隧道方面と決めた。
しかしだ。はたしてTさんの下山速度はどの程度なのか分からない。
時計は14時をまわっている。この時期、夕暮れは早い。
「下りはどうですか。ちょっとだけ早くても大丈夫ですか」
「ハイ下りはついて行けます」
もっともいつもの調子で飛ばしたら無理なことは分かっているから
適度な速度で下り始めた。
しばらく下ると沢から急斜面を登ってくる女性が見えた。
軽装で手提げ袋を手にしている。道迷いだなと直感した。
危険極まりない。
自分たちの後を付かず離れずでついてくる。
上り同様数十分毎に立ち休みをとった。そしてその都度、Tさんに水を飲ませる。
先ほどの女性が追い越していった。
風体は、そこいらのスーパーへ買い物にって感じだった。
大山や高尾山系で多く見られるお手軽ハイカーの体だ
自分の場合、あまりこの手合いとは接触を持たないようにしている。
低かろうが山は山だ。危険はいくらでも遭遇する。
ハイカーであろうとも、最低限の備えは必要なのだ。
5分の休憩後、先を進む。Tさんもなんとか付いてきている。
地図を確認するともうすぐ分岐である。
ここで大失敗をしてしまうことになった。
天城峠方面に進もうとしたらTさんが「こちらに案内板がありますよ」と大声で叫んだ。
目を向けると手すりが掛かった上りをさっきの女性が歩いている。
案内板には「水生地」とある。
時刻はもうすぐ15時だ。Tさんの歩調に合わせると隧道に着く頃には暗くなるだろう。
今回は諦めるかと予定を変更することにした。
少しのアップダウンでもTさんの呼吸が荒れている。
50m程先を先ほどの女性が歩いているのが見えた。
それにしても足下が荒れている。そこいら中に落石と思える石が転がる。
路面も湿気で濡れており苔生している。
おかしい...
立ち止まって紙地図を確認するといわゆる破線道だと推測できた。
かなり下りてしまった。分岐に戻るにも、Tさんが保たないだろう。
カーブを曲がると女性が立ち止まっていた。
「何故、こんな道を選んだの?」と聞くと「面白そうだから」と答えた。
もう何をか言わんやだ。
Tさんに休んでもらい、急いで先の状況を探りに下る。
ゲゲッ!倒木やら崩落やらエトセトラの状況だ。
自分はこんなところが大好きである。
バリエーションルートは我が喜びだ!何てことが今回は通じない。
状況を話すとTさんはやはり、分岐に戻るのは嫌だという。
そして、全て自分に委ねるというし、女性もついてきたいという。
えらいことになったが、周囲は薄いオレンジ色に染まりだした。
倒木を跨ぎそして潜り、斜面を三点支持で降り登りを繰り返し、
やっと一息できる地点にやって来た。下の方に山葵田も見えている。
あぁ良かったとため息が出た。
二人をその場に止め、先を探る。
ゲゲッ!数え切れない倒木が沢まで塞いでいるではないか!
どう考えてもこれは越せない。
紙地図を広げる。もう朝出発した分岐は近い。
沢に降りるしかないと決め、二人にそれを話した。
目前の倒木に二人とも驚きの声を上げた。
Tさんは「こんなコース生まれて初めてです。」と驚嘆していた。
先ず、自分が降りたのだが、斜面は脆く石が転がる。
慎重を期して、一人ずつ降りて貰った。
次は渡渉だが、沢の幅は狭小だから心配はない。
無事に対岸に渡り登山道に入ることが出来た。
10分ほどで治山工事事務所に到着した。
時計は16時丁度で概ね予定通りで済んだ。
バス利用の女性とはここでわかれたが、
「助かりました」と礼を言われた。
しばらくすると工事関係者が現場から帰ってきた。
「どこから下りてきた?」と聞かれたので、立ち入り禁止の登り口を指さす。
「ヘェ!よく下りてきたな。えらく荒れてただろ?」
「ええ でも面白かった」
「無事で良かったよ 月初めに遭難者がヘリコプターで救助されたんだよ」
驚いたがなんでこの程度の道でとは思ったが、経験のない人には危険すぎるのだろう。
過信は禁物だと肝に銘じた。
Tさんは「良い経験をさせて貰った」と労ってくれたが、間違いなくガイドは失格である。
それにしても汗をかかないトレッキングは今までなかった。
こんな風な登山も良いなとあらためて実感した。Tさんありがとう
下っていると次々と工事関係者の車が追い越して行くのだが、
その度にプッとクラクションを鳴らして手を振ってくれる。
出発時と云い帰りと云いこんな気持ちが晴れ晴れすることは初めてだ。
本当に土地柄が忍ばれる。天城がますます好きになった。
16時半に無事愛車に到着する。
「Tさん暗くなってしまいましたが、天城隧道見たいですか」
「悪いですねぇ できたら見てみたいです」
ステアリングを下田方面に切り回す。
もう周囲はかなり暗くなった。
しばらく走り、寒天橋方面に左折する。
ここからは未舗装になる。
樹林帯はすっかり闇だ。
隧道までかなり距離がある。前回の東からの縦走の折には、ここを歩いたのだから足も強かった。ソールが剥がれたことを懐かしく思いだした。
「Tさん真っ暗ですけどこれが石川さゆりさんの世界ですよ」と冗談を言うと
「いいですねぇ天城越え」と楽しげに答えた。
隧道に到着する。
車を降り、Tさんは隧道入り口に立った。
Tさんが「踊り子」を読んだか映画を観たかは聞かなかったが、これで予定のミッションは終了したのである。
そうそう、東名高速の渋滞を避け、伊豆スカイライン経由で帰ってきたのだが、亀石峠から箱根峠までずっと霧の中だった。破線登山道よりもこちらの方が数倍怖かった。

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天城をガイドする(1) [自然]

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春のような陽気が連日続いている。
ヘルニア持ちのダックスには最適な気温で助かる。
それにしても陽気だけは晩秋の風情にはほど遠い。
今日はこれから雨降りの予報で風も強くなってきた。
伊豆は天城の八丁池をトレッキングしてきた。
予定では今日がその日だったのだが、天気図を調べると天候が崩れることが判断できた。
下調べが正しかったようで前倒しにして良かったと安堵している。
それというのも、今回はお得意様からガイドを頼まれていたからだ。
天候悪化で万一のことがあったら取り返しが付かないもの。

早朝5時半に出発の計画だった。
目的地は水生地下駐車場だ。
東名高速の集中工事が今月末まで行われている。
渋滞が始まる時間帯を避けるには、早朝しかない。
ところが、寝坊してしまった。
お得意様のTさん宅に到着したのが6時30分。
東名高速に入る時間は恐らく7時だから頭の中は焦りだけが一杯だった。
しかし、幸いなことに一つの渋滞にも出会さず第二東名に入ることが出来た。
恐らく下り線だったことに運があったのかも知れない。
ここで大失敗をやらかした。
Tさんは定年まで大手企業の役職部長だった。
なかなか威厳のある人で、無駄な口は叩かない人と聞いていた。
お得意様でもあるし、かなり緊張を伴いながらの運転になると想像していた。
ところが、まぁよくしゃべること。
そうなるとこちらも相手をしなければならない。
思いがけない展開に緊張が解けたのか、降り口の沼津を通り過ぎてしまった。
ゲゲッ戻り返さなきゃと慌てる。次のインターチェンジである冨士まで行くしかない。
Tさんに謝り先を進む。幸いにも、しばらく走るとスマートインターの表示が出た。
下りはあっても上りはあるのか恐る恐る一般道へ出る。
あった!上り入り口があった。
20分遅れで伊豆縦貫道に合流することができた。
時刻は8時を回っているから通勤時間帯だ。
案の定、車は進まない。
当初の予定より1時間強遅れている。
高山でもあるまいし、まあ良いかと気持ちを切り替えた。

1時間遅延で駐車場に到着したが、入り口付近は工事資材や車両で塞がれている。
ややっ!駄目か...
工事関係者が「山か?」と問うので「そうです」と答えると数人の作業員が入り口を開けてくれた。礼を言い愛車を進ませ無事に駐車する。
「八丁池?」と年配の男性が声を掛ける。「そうです」と答えると「もう大丈夫だと思うけどマムシには気を付けなよ」と教えてくれた。
出発際に「行ってらっしゃい」と皆が送り出してくれた。
こんな工事関係者にはお目に掛かった経験が無いのでちょっと感激する。
車道を渡れば、登山道の始まりだ。
もっとも登山道と云ってもしばらくは舗装された作業道との兼道だ。
途中に「川端康成」さんの顔像と「伊豆の踊子」の一節が刻まれた碑が建っている。
さぁいよいよ石川さゆりさんの「天城越え」の世界に足を踏み入れるのだと歌好きの自分は胸を踊らせた。
Tさんの体調を確認する。
「大丈夫です」と答えるが表情は緊張気味だ。
「丹沢とは違い、緩やかな道だから大丈夫ですよ」と声を掛ける。
しばらく進むと本当の登山道入り口に着いた。
ここも治山工事の仮設プレハブ小屋が建っており、車両も数台止まっている。
八丁池まで最短のコースは「水生地歩道」だが通行止めの看板立てが置かれていた。
そうなると舗装路を進み、昭和天皇が歩かれた「御幸道」を選択するしかない。
コースタイムは約2時間だ。
Tさんに「遅い早いの指示を必ず言って下さいね」と速度の確認をさせる。
いつものソロ登山だったら、間違いなく走っている斜度ではあるが、NHKBSの「日本百名山」に登場するガイドよろしく、小さな歩幅でゆっくりゆっくりと先を進んだ。
Tさんの息は早くも荒い。
30分毎の休憩を決め、その都度水を飲んで貰った。
「ところで、水を何本持ってきました?」と聞くと「いつもと同じで2本です」と答える。
「えっ!駄目ですよぉ少なくとも1.5Lは用意しないと」
「いつもそんなに飲まないから」と答えるTさん。
「それじゃあバテてしまいます」水分補給の重要さを偉そうに説いた。
それでもなんとか少しのコースタイム上乗せで休憩地の東屋に到着した。
ザックを下ろさせるとフーッと深い息をしている。
「疲れましたか?」「いやぁ私は駄目ですね」と恥ずかしそうに謙遜する。
「とんでもないこれが山登りですよ」「僕のようにコースタイムを競う登り方は邪道なんです」と励ました。
携帯した梅昆布を2つ差し出すと美味そうに口に放り込んだ。
梅干しが苦手な自分が必ず用意する行動食でとにかく美味いし塩分がとれる。

稜線が低い天城の山なので直ぐに空が見える。
稜線には出ずにそのまま延々とトラバースが続くから標高は稼げない
歩きが苦手なTさんにはちょっと気の毒ではある。
本当に静かで品格のある山々で小説や歌の題材になることを実感する。
とくにヒメシャラの群生は素晴らしい。ピンクが混じったような明るい茶色の波...
ツルッとした木肌。
そうかと思うと大小のブナの木が現れる。
雪の重さに耐える雪国のそれとは違いスクッとした立ち姿だ。
人の手が入ったような自然の間引き具合なのでまるで里山だ。
所々に赤や黄色の落葉樹が挟まれる。
足下は落ち葉の絨毯。
それこそ小説の世界に足を踏み入れてしまった感覚に陥る。

Tさんを励ましながら馬酔木の群生を抜ける。
いよいよ「八丁池」まであと少しだ。ここまで3時間を要してしまった。
ソロであれば、もう相当下っているはずだが、今日はガイドである。
責任が大きい。
見えた!「八丁池だ!」
長くなったので後半は次回に。




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美人と高尾山系を縦走する ... [自然]

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今日も雨降りの一日になるのだろうか。
本当に忌々しい梅雨だ。
何人の人の命と生活を奪えば気が済むのだろう
おまけにコロナ禍のぶり返しだ
一体どこの誰が神を欺く悪行をしたのだろうと考えてしまう。
喜びがあった
馳星周さんの傑作小説「少年と犬」が見事直木賞を受賞した
たしか、7回目にしての偉業だと思う。
この本は自分の宝物の一つになることだろう

ブログもずっとご無沙汰だった
Twitterも復活させたがどうも性に合わないのでまた止めた
メモ帳代わりのつぶやきをネットに晒すわけだから自己嫌悪してしまう

コロナだ豪雨だ地震だと目覚めの悪いことばかりが起きる
コロナなど仕事への影響も大きい
懐への影響が大きくて困る
あそこが悪いあいつが悪いなんて言ったって仕方が無い
ウイルスが相手じゃ喧嘩も出来ない
それなりの金銭補償をして感染元を閉じさせなきゃいけない
だけど無責任な小劇場や芸能プロダクションもあるから際限がなくなりそうだ
結局のところ収入源が絶えたらどの業種や職種だって同じことになる
兵庫県知事が「諸悪の根源は東京にある」って暴言を吐いたが今の状況を考えると
正直暴言にはならない気がする
日本だけではなくフランスだってドイツだって英国だってみんな気が緩んでいる
緩んでいると云うより恐怖を忘れてしまったってことだ
人間は勝手で忘却の生き物であることを実感した
こんなことを書いている自分だってもう自粛は嫌だと毎週末山を歩いている
お馬鹿なりに人の少ない天気の悪い日を選んでだ
金時山 大山 陣馬山と大抵雨の日を歩く
ほとんど人に出会さないから自然を独り占めだ
しかし先週末の高尾山系縦走は生憎曇り空だったためか多くのハイカーが押し寄せていた
相模湖駅近くに車を置き中央線で藤野駅に向かい後はバスで終点の和田を目指す
乗車時間は15分程度だから駅から歩いても小一時間だろう
車内は満員で座ることが出来なかったがヤビツ峠ほどの九十九折りもなかったので気分は穏やかだった
初めての行程だったので登山口が分からない
いつもの通り誰もいなくなってからの出発が失敗だった
あちこち案内口を探してやっと発見
無風で湿気に包まれた登山道を歩くのが辛い
とにかく暑い
それでもコースタイムより15分ほど短い時間で陣馬山山頂に到着する
売店で「ゆずシャーベット」を購入した
富士山が美しい夏姿を見せている
久しぶりの富士山を堪能し次の景信山に向かうが湿気と暑さは一向に変わらない
先行者の女性を抜くとそのまま彼女が追ってきて驚いた
早足の自分に付いてくる人は滅多に出会すことがないましてや女性である
後で尋ねると「早足の人を探していた」と答えた
なんでも今夏は標高の高い山を目指していて足を作っているらしい
そんな彼女と早足でアップダウンを繰り返す
お陰でコースタイムの半分で景信山に到着した
タオルで汗を拭い一服する
時節柄ベンチ一つを開けて互いに座った
進むことに夢中で彼女の顔など見ていない
汗が収まったところで話し始めてハッと驚く
20代後半と思われる美しい女性だった
低山ばかりだが相当の数登っているという
南北アルプスや秩父の山の話を始めると身を乗り出してきた
近々初めて尾瀬散策と至仏山を登るらしい
蛇紋岩の滑りやすさや尾瀬の自然を偉そうに説明した

汗が引いたところでゴールの小仏城山に出発する
また彼女も付いてくるという
二人で飛ばしまくりまた半分の時間で山頂に着いた
もっとも直下の木段で息が上がってしまった
彼女に引っ張って貰い疲れ切って登ったがこの日一番の汗をかいた
お礼にかき氷を奢る
お返しにと「爽健美茶」を頂いた
自分はこれが嫌いだが礼を言ってザックに入れた
高尾までかと問われたがこの山で下りなければ相模湖駅に置いてある車にたどり着けない
別れの言葉を交わし分岐で別れた
いつも通り下りを駆け下りたのだがバスの到着時間を10分ほどオーバーした
結局下山口から相模湖駅まで国道を3キロ歩く羽目になった
美人との山行に舞い上がった天罰か
暑さと疲れでヘロヘロになり愛車に辿り着いた
帰宅して汚れ物の整理をしていたら「爽健美茶って飲んでた?」と嫁さんの一言
あわてて「売店にこれしか残っていなかった」と慌てて誤魔化した
そうそう彼女はサックスも吹くそうだ
なんとも行動的な女性であった







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手強かった「沼津アルプス」 ... [自然]

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今週初めは雪こそ降らなかったが痛いほどの寒さだった
暖冬に馴らされた身体には堪えた
もっとも本来の冬だったのかもしれない
それがどうだろう 昨日今日の暖かさと云ったらもう四月のようだ
ベランダのブルーベリーが小さな花を一つだけつけた

湯たんぽに尻を当てて眠っているダックスを散歩に連れ出す
迷惑そうなそぶりでこちらを見つめる
俺だって行きたくないさ!
でもお前は外に出なくちゃオシッコもウンチも我慢しちゃうじゃないか!
(いつも書いているとおりどちらもきちんと始末しておりますので 念のため)
雨の日の散歩は本当に困る
浸透タイルが敷かれた歩道だけを歩かせるが
水の溜まったアスファルトは抱き上げる
足が短く毛足の長い我が家のダックスは撥ねで腹を汚してしまうのだ
帰宅してからの手入れが面倒臭いのでそうしている
それにしてもアーモンドの茶色の目で見つめられると愛おしさが倍増する
動物は大好きだ
今は害獣と呼ばれている猪だって鹿だって熊だって大好きだ
みんな目が可愛い
でもそんなことを言ってたって肉は食べる
今日は牛肉が食いたい
明日は豚肉にしよう
明後日は鶏肉がいいだなんてさ
大好きな動物の仲間なのに
まぁ人間ってのはご都合主義の生き物だから仕方がないにしろ
やはり野生動物は食わない方がいいよな
文化って一括りにしちゃえばそれまでだが節度ってものがある
世界の大国になりたけりゃそこは改善してもらいたい
あんた達を当てにしている日本人も山ほどいるのだからさぁ ...

小春日和で晴天の先週初め「沼津アルプス」を縦走した
6時過ぎに我が家を出発し1時間半程で「香貫山」登山口の無料駐車場に到着した
駐車場の正面には慰霊塔が建っている
光ケーブルの工事車両が数台止まっていたが平日の早朝とあってスペースは空いていた
未舗装で囲みのない広場なので端に駐車しようと後退したらガガガーと音がする
慌てて外へ飛び出すとバンパー下のスポイラーが割れていた
トホホの事故である
まぁしょうがねぇな自分でやっちゃったのだからと諦め登山靴に履き替えた
この日は此処から登らず出発は多比(たび)からと計画していたので
そこまでバスを利用することになる
乗車バス停は沼津裁判所前だ
駐車場から徒歩で20分は歩かねばならない
事前に調べておいた乗車時刻が8時35分だ
時計の針は8時15分を回っている
こりゃ走らなけりゃ間に合わないと登ってきた舗装路を
ひたすら走り下った
とにかく初見参な地域なので道順が分からない
通りすがりの人に聞き聞きでなんとか間に合ったが
トレッキングの前に大汗をかいてしまった

アルプスと冠されたって所詮は400メートル前後の連なりじゃないかってことで
馬鹿にして多比を出発した
急な坂道の住宅街を抜けると道標が現れた
分岐まで登り先ずは「大平山」のピストンだ
山頂は展望がないので急いで元の分岐まで戻り次の「鷲頭山」を目指した
途中大きな岩に出会したが巻き道は進まずそのまま岩を登ったがその先で
ちょっと道迷いをしてしまい20分ほど余計に歩くことになった
「鷲頭山」の山頂から見た駿河湾が美しい
遠くに真っ白な南アルプスの山並みが見えた
数分の休憩だけで先を進む
とにかく初めての山なので何事があるか分からない
早めにゴールに辿り着くに越したことはない
快調に飛ばすがその先3カ所に急坂が待ち受けていた
幸いいずれも下りだったから良かったものの逆コースを辿れば登りだった
それにしてもどれも深すぎて参った
得意な下りにも拘わらず縦走し終えたときには右足の向こうずねが痛かった
スマホのアプリが示す全行程は大休憩を入れて丁度6時間だったので
観光協会のパンフレット通りだったが道迷いの分を差し引けば5時間ちょっと
云うところか
累計の標高差は1500メートルでとにかくアップダウンが激しい
馬鹿にして登った「沼津アルプス」だったがなかなかに難敵だった
好きな山だったので春の盛りにもう一度登ってみるか
それにしても愛車のお尻がつくづくと ...























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不眠の日帰りで焼岳を その2 ... [自然]

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季節はいよいよ晩秋だ
昼間と朝夕の寒暖差が大きくなった
北海道はもう雪が積もっている
高山の山小屋も次々と小屋終いの報で少し寂しい ...

焼岳山頂直下まで登ると硫黄の匂いが鼻をつく
あちこちからガスが湧いていて活火山であることを強く実感した
そんな岩場でも可憐な「白玉の花」が群生している
立ち入り禁止の南峰直下に火口湖である「正賀池」が見える
立ち休みを終えいよいよ山頂に取り付いた

山頂は多くの登山者で賑わっていた
山頂標識に手を掛けK君と握手する
西側に薄く浮かんだ山が見える「白山」だ
ガスが濃ければまず見えることはないだろうから運が良かった
そのまま視線を右に移すと「笠ヶ岳」「槍ヶ岳」が視界に入る
当然「穂高」もその全景を晒してくれた
おまけに遙か彼方には「富士山」「南アルプス」が箱庭化している
喘いで登ったご褒美を心ゆくまで堪能した

K君が「これからどうします?」と聞いてきた
多くの登山者が駐車場までのピストンらしい
K君もそのつもりでいた
しかし滅多にない好天だ
「上高地に下りようよ」
「エーッ!タクシー利用になりますよ」とK君が答える
「いいじゃないか 反対側から焼岳の全容を見たいもの」

急斜面を下り始めた
あちこちからガスが湧いている
手をかざすと結構な温度だ
なかには火傷しそうなぐらい熱い箇所もあった

鞍部まで下り振り返る
デカい!目の前に広がる焼岳は本当に大きかった
独立峰の気高さを見せつけられた思いがした
それにしてもジグザグの登山道は急だ
これから登るとしたら気が萎えそうだった

梓川に架かる「田代橋」に到着した
一睡もしていないのでもう足は覚束ない
それでも折角だからと「河童橋」まで歩を進める
日本人よりも東南アジアや欧州からの観光客で賑わっていた
ここでも韓国からの登山者や観光客とはすれ違わなかった
本当に国の関係が悪いことを実感したが韓国での販売がドル箱だった
「デサント」の業績が著しく悪いようだ

その後はいつもの通り丹沢周辺を歩き回っている



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不眠の日帰りで焼岳を その1 ... [自然]

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台風被害で泣いている人々の対岸で脱法代議士や脱税芸人が
今日まで温々と我が世の春を謳歌してきた
こんな奴らは二度と立ち上がれないほど叩き潰せと言っては
過激すぎるのだろうか ...
俺に言わせりゃ人間ゴキブリの類いである
本当に頭にくることが多すぎる
それにしても関西の芸人はどうしてこうも悪事を働くのだろう
地域性なのかただ単純に民度の低さが原因なのかなんて勘ぐりたくはないが
あまりにも下劣すぎる
脱税芸人の所得の大きさに驚嘆した
億越えの収入だってさ ...
何だかコツコツ働き納税し保険料を納める自分が馬鹿馬鹿しくなる
菅原某だって同じ穴の狢だ
いっそのこと投票なんて止めちまおうって気分になる ...

22時に我が家を出発した
途中でK君と合流する
運転はK君に任せ助手席で仮眠しようとするのだが全く眠れない
トイレ休憩のためみどり湖SAに立ち寄った
車外へ出ると身震いする冷気に包まれた
駐車場はトラックと一般車でかなり埋まっていた
皆仮眠しているのだが結構の数登山者らしき人たちがいるようだ

午前3時に登山口である「中ノ湯」無料駐車場に到着した
20台程度駐車できるスペースはほぼ埋まっていたが
僅かな空間に愛車を滑り込ませることができ一安心する
出発は5時と決め背もたれを倒す
その数分後にはK君のイビキが狭い車内に響きだした
もうこうなると眠ることは出来ない
漆黒の天空におびただしいほどの星が光っている
タイムラプスで星空を撮ってやろうかとも考えたが寒いし面倒臭いしで
諦めた

5時ちょっと過ぎに出発する
暗い登山道を無言で進む
大した登りではないが如何せん無睡眠の身体にはきつい
細い登山道は早朝の雨が湿地のように流れている
モミの木やダケカンバ・シラビソの森を抜けると広場に到着した
すっかり日も昇り空は青く澄み渡ってきた
ダケカンバの赤が秋を実感させる

10分ほどの休憩後本格的な登山が始まった
噴煙の昇る焼岳がその姿を現した
立ち止まって周囲を見渡すと「穂高連峰」「霞沢岳」「乗鞍岳」の雄姿が美しい
「梓川」の蛇行も見える
フーム何と素晴らしいことか ...

この日も最低限の行動食が喉を通らない
どうしようもない馬鹿山屋である
K君は高山病を恐れ何やら薬を飲み込んでいる
あまり薬に頼らない方が良いに決まっているがそのおかげか
至って順調らしい
「焼岳」は圧倒的に自分らのように「中ノ湯コース」で登る人が多い
この日も多くの登山者が山頂を目指している
車の関係からほとんどの人がこのコースをピストンするが自分らの場合も同様だった

噴煙がたち上る北峰を目指して再び歩き出す
急登に差し掛かる頃硫黄の匂いが漂い始めいよいよ焼岳が迫ってきた



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エッ!祭日なの ... [自然]

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「勇敢な桜戦士」の進撃が潰えた
予選リーグでの勝ちっぷりに胸が躍った
見る者の血の激りは何だったのだろう
テレビ観戦でこんなにも気分が高揚したことは初めてだった
息もつがせぬ両軍の攻防に一喜一憂した
やるせない空気が漂う社会に希望を与えてもくれた
ラグビーがこんなにも素晴らしいスポーツであったことを今更ながら知った
何事も誤魔化しのない本物は人に感動を与える
日本代表の一人一人に心からお疲れ様と言いたい

久しぶりに大山を登ってきた
いつもの通り秦野駅からバス利用でヤビツ峠へ出向いた
登山道は一カ所だけ崩落していたが思いの外
台風の影響を受けていなかった
間が空いてしまったため息が苦しかったが1時間で山頂に辿り着いた
青い空とは言えなかったが筑波山やスカイツリーが遠くに望めた
ベンチで休憩していると小さなワンコがやって来た
買主は今風の青年でカメラを抱えている
「岩場は抱っこするの?」と聞くと「しません」と答える
「足腰は大丈夫なの?」と自分
「ちょっと心配です」と青年
小さな皿にドッグフードらしきものを注ぐ
ワンコは匂いだけ嗅ぎ食べず終いだ
青年は草むらにそれを撒いた
...呆れた
こんな輩が山登りか ...
手軽な山とは言え本当に気分が落ち込む
いつも書いているが自分はワンコの登山には反対だ
理由は言わずもがなだけど ...

昨日が臨時の祭日なんて気がつかなかった
失礼ながら何の興味も湧かなかったが夜のニュースはどこも
雅な一日を流していたっけ ...

黒部の「下の廊下」で転落事故が続出しているらしい
報道によると単独行の高齢者が多いという
自信過剰による慢心が大きな原因だと断言できる
あの危険な場所を単独行となるとそれなりの上級者なのかも知れないが
歳を重ねるごとに足腰も衰えている
いやまだまだと虚勢を張ってみても身体は正直だ
K君との計画をキャンセルして正解だった
「下の廊下」に限らず高山でも高齢者の単独行は多い
まぁ自分の場合も他人のことは言えないが ...
特に「下の廊下」はエスケープするところが全くない
前進するしかないのである
体調を崩そうが滑落しようが同行者がいなければSOSの発信さえ出来ない
ブームとはいえあまりに自然への冒涜だとさえ感じてしまう
美しさだけを強調するテレビも大きな責任があるな
はっきり言ってしまうと1000m級の山を1時間台で熟せない者は登山を
止めた方が良いと思う 山小屋に迷惑を掛けるだけだ
素晴らしいウェアや高価な靴を身に纏おうが歩く登るは自分の足と持ちこたえられる体力でしかないのだからな

「下の廊下」のキャンセルで大いに気落ちしたK君のため
急遽北アルプスの玄関である「焼岳」を登ってきました 
詳細はまた後日に ...









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坂の上の雲を歩いた ... [自然]

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大型の台風10号の影響で強い雨が降っている
エアコンが吹き出す風が生暖かっか昨日に比べ
今日はぐっと気温が下がっているようだ
とにかく昨日の湿気には参った
ダックスもケージを出てタイル張りの玄関の床に涼を求めいていた

白馬山荘に到着し受付を済ます
この日も多くの登山者が此処で宿泊する
見知らぬ人との雑魚寝が苦手な自分は個室の空き状況を尋ねる
運良く二人用の個室が空いていた
二人で8千円の料金超過だがK君もその方が良いという
これで少しは睡眠がとれるだろう

一服のためレストランに入った
K君は生ビールを自分はアイスコーヒーを頼む
さすがに日本一の山荘だけにどの施設もでかい
ガラス越しに山々を見ていたら腕組みの男性に目がいった
どこかで見かけた人だ
山行番組でよく見かける山岳ライター高橋庄太郎だった
アウトドア派のカリスマ的存在の人でこの日もカメラマンを伴い取材登山らしい
握手して挨拶をしたがK君はビールに夢中で気がつかなかったと後悔していた

夕食後山荘直下の花畑を散策する
可憐な花々を見つめていると何だか胸が熱くなった
まるで乙女の心境だ
しばらくすると目の前の旭岳に日が落ち始めた
湧き出すガスの向こうに剱岳の姿が微かに見える
グッと気温も下がり始めたので部屋へ引き返し身体を横たえる
消灯時間前に翌日の準備を済ませ眠りについた

恐らく5時間程度は眠れたのだろう
5時の起床時も体調が良さそうだった
K君とご来光を拝みに外へ出る
この日も天候には恵まれそうだ
多くの人たちが稜線で朝日を待っていた
眼下に広がる雲海からオレンヂ色の太陽が昇り始めた
まるで新鮮な卵の黄身のようだ
一斉に歓声が上がる
至福の一瞬だ
これを見てしまったら山からは絶対に離れられなくなる

体調はすこぶる良い
10分ほどで白馬岳山頂に到着する
後立山連峰が美しい
いよいよ「坂の上の雲」で使われた小蓮華山の稜線を歩けるのかと思うと
気分も高揚する
稜線歩きと少しの登りを繰り返しながら「三国境」に到着した
新潟 富山 長野の三県が接する分岐である
ここを北へ進めば朝日岳に至る

大勢の登山者が列をなしているので速度は増さない
でもこれで良い
いつもの追い抜きは厳禁である
一つ間違えば誰かが大怪我をしてしまう
急ぎ旅でもあるまいしのんびり北アルプスを楽しみたい

小蓮華山への急傾斜が見え始めた
大勢のツアー登山者が休憩をしている
時間が稼げるので休まずそのまま進む
息が弾み始めた
山頂に到着すると上り下りの登山者で賑わっている
ザックを下ろしK君を待った
20分ほどの経過後K君も到着する
腹が減ったというので残しておいた菓子パンを渡す
朝食もたっぷり食っていたK君の大食漢ぶりに思わず笑ってしまったが
本当は彼が正しいのである
自分のように小食だと必ず「シャリバテ」を起こす

さぁいよいよ憧れだったあの稜線だ
文才の無い自分には美しいそれを文字で表せないのが悔しい
白馬大池へ続く登山道は本当に美しかった

もうすぐ「坂の上の雲」の憧れも終わってしまう
素晴らしい山行だった
同行のK君に感謝
それにしても栂池までの下りは参った
おかげで足の爪の何枚かが黒くなっている ...







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白馬岳 坂の上の雲に咲く花たち ... [自然]

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今日の午後は菩提寺住職の棚経があった
昨晩迎え火を焚き両親と動物たちを迎えた
昔ながらの盆行事も自分たちの世代で終えるのかもしれない

西日本は大型台風の襲来で被害が出るのだろうか
香川に住む友人が心配だ

今日は白馬に咲く花々を載せてみたが名前が違っていたらご勘弁を ...


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白馬岳 坂の上の雲を辿る ... [自然]

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誠に小さな国が 開化期を迎えようとしている 
小さなといえば 明治初年の日本ほど小さな国はなかったであろう ...

司馬遼太郎の「坂の上の雲」の冒頭文だ

17時過ぎに白馬村にある国道沿いの簡易宿泊所に到着した
登り時と下り時にタクシーを利用するためK君が気を遣って安宿を探してくれた

予定していた白馬岳登山にやって来たのである
大雪渓を登るためヘルメットとアイゼンもザックに詰め込んだ
宿泊所の前にある道の駅で夕食を済ませ白馬駅近くにある登山用品店に向かった
K君がヘルメットを新調するというのだ
専門的な用品が多い店でアイゼンなど小指で持ち上げられる軽さのものもあり驚いた
K君は「グリベル」のヘルメットがお気に入りでブランドカラーの黄色を買った
セールという割には店内の品々の値段はそれほど安くなく自分は何も買わなかった

宿泊所に戻り近くの温泉に向かう
真新しい施設で気分が良かった

宿泊所にはエアコンが設備されていないので涼は扇風機となる
もっとも山間部の宿舎はエアコンなど設備されていない場合が多いので
何も安宿だからというわけではない
夜になれば気温だって我が住まい地より10度前後は低くなる
それでも暑がりの自分は下着で寝たが睡眠時間は2時間程度だった

早朝4時に宿泊所を出発し八方駐車場へ向かう
予約しておいたタクシーに乗り換え猿倉登山口へ向かう
料金は二人で4千円だった
登山届はWebで提出済みだったのですぐに歩き始める
山道をしばらく行くと展望が開け「小蓮華山」の稜線が美しい
いよいよ「坂の上の雲」で使われたあの稜線を歩けるのかと気分が高揚した
1時間ほどで大雪渓の入り口にある「白馬尻小屋」に到着する
いよいよ大雪渓に取り付く
さすがに大人気の山だけにツアー登山も多く雪渓には蟻のような列が続いていた

心配していた右足の痛みも影を潜めていて1月歩かなかった割には快調だ
一抱えするような岩があちこちに点在する
雪渓を転げ落ちてきたのだろう
今春には大きな崩落もあったらしい
音も立てずに転がってくるので細心の注意が必要だ
正面左に天狗菱の岩峰がそびえ立つ

雪渓を登り切ると岩場の連続になるが高山植物の花畑に癒やされた
花などに大した興味も無かった自分だが山を登るようになってから
生というものを強く意識しだした
生きとし生きるものがすごく愛おしくなる
例えそこいらに生えている草にさえだ
だからか釣りからも遠くなってしまっている

ここでも女性登山者が多い
テント泊だろうか 相当な重量を背負っている女性も多い

村営の頂上宿舎直下までやって来た
緊張が解けたのか重い疲れに襲われた
冷たく甘い物が欲しい
K君が「ハーゲンダッツを売ってますよ」と笑っている
「じゃ奢るから買ってきてよ」と1000円を渡す
1個500円のそれを口に運んだが何となく満足出来ない
そう 本当はかき氷が欲しかった
でもそんな贅沢は叶うはずもない

一休み後宿泊地である白馬山荘を目指した
あと20分ほどの行程だ
緩やかで広い登山道の先に日本で一番大きい山小屋が見え始めた





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