穂高の男 ... [徒然]
今日は一段と暖かい。いや暑かった。
この時期、いつもこんな風だったかな。
すっかり、祭日であることを忘れていた。
丹沢にでも出掛けりゃ良かった。
昨晩観た「穂高を愛した男・宮田八郎」がやけに心に残ってしまった。
映像の美しさも然る事乍ら、人としての素晴らしさに魅了された。
「何故、人は山を登る」。
登らなければ怪我もしない。死にもしない。
それでも人は山を登る。
登り切った先には感動がある。達成感がある。
そして何よりも明日が見える。人生が見える。
非日常の頂に立ったとき、ただただ心が解放される。
たったそれだけのために自分は山を登る。
宮田さんの本職は「穂高岳山荘」の小屋番だ。
世界中の高山を登り、クライミングする専門登山家ではなかった。
思えば我々と同じ登山愛好家の一人だった。
人を愛し救い。自然を愛し守り。
妻と子供を愛し友を慈しみ。
穂高は厳しい。
体力も技術も準備も別格の山だ。
軽い気持ちで登ったなら間違いなくしっぺ返しを食らう。
それでも登った人なら分かる。その雄大さと己の誇りを。
もう自分の場合は穂高の縦走は無理だろう。
体力、気力に自信が持てない。
万一のことになれば、多くの人に迷惑を掛けることになる。
願わくばあと10歳で良いから逆戻りがしたい。
「今日の歌」
山が生命と 笑ったあいつ
山をいちばん 愛したあいつ
雪の穂高よ 答えておくれ
俺にひとこと 教えておくれ
なんで吹雪に あいつは消えた
重いザイルを かついだあいつ
銀のピッケル 振ってたあいつ
山をこの俺 うらみはせぬが
あんないい奴 どこにもいない
なんで吹雪に あいつは消えた
「雪山に消えたあいつ」から引用
作詞 沢の井千江児
作曲 上條たけし
歌唱 ダークダックス